

治験とは

今、使用されている薬は全て治験というプロセスを経て誕生し、人々の生命や健康を支えています。しかし、病気と闘う患者さまには、新しい薬を待ち望んでいる方が多くおられます。新しい薬を創るために、みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。
新しい医薬品が出来るまで
新しい医薬品が世の中に出るまでには、約10〜18年の長い歳月と100〜200億円の費用を費やします。“くすりの候補”について効き目や安全性が調べられ、人々の健康に役立つもののみが“くすり”として国から認められ、使われるようになります。ここでは効き目や安全性を調べるテストを図で示しました。

治験のルール
治験には参加する人の人権と安全性を最大限に守るためのルールがあります。それが厚生労働省の定めた大変厳格なルール「GCP」です。
このGCPでは以下のようなことが決められています。
- 治験を行う病院は専門の医師・薬剤師・看護師等のスタッフや検査等の設備が十分そろっていて、緊急時には必要な処置をとることができること。
- 治験を行おうとする病院は治験の計画や内容について、治験審査委員会(当院では受託研究審査委員会)で審査、承認され、病院長が了承しないと治験は実施できない。
- 治験を担当する医師は、治験を始める前に、治験に参加してもらいたい患者さまに治験について文書を用いてよく説明し、よく考えてもらってから患者さまの自由意思による承諾を得る必要があること。
- 患者さまが治験の内容を理解し、納得した上で治験への参加を承諾した場合には、そのことを文書に残すこと。
治験はこのGCPを遵守して実施することが義務づけられています。また、治験に参加する、患者様のプライバシーは厳重に守られます。
治験への参加とプロセス
治験への参加は、医師から患者さまにすすめるケースや、病院内のポスター・新聞・インターネットをみて患者さまが応募するケースがあります。
■治験の説明
治験についての詳しい説明は、治験を行う病院で行われます。治験を担当する医師が診察を行い、治験に参加することができるか確認します。そして医師や治験コーディネーターが治験について詳しく説明します。説明をお聞きになった後、ご家族やほかの病院に通院している場合はそこの医師にも相談して、治験への参加をお決めください。参加をおやめになっても、患者さまの治療に不利益になることはありません。
| インフォームド・コンセント |
| 「インフォームド・コンセント」という言葉が医療の現場でよく使われています。この言葉は「病気や治療について十分な説明を受け、患者さまが理解・納得したうえで同意する」という意味です。普段の診療でも大切なことですが、治験は“くすりの候補”の有効性や安全性のテストという研究的な側面がありますので、いっそうこの「インフォームド・コンセント」の徹底が必要となります。医師や治験コーディネーターから説明を受けた後、わからないことがあれば質問していただき、ご自分の自由な意思で治験に参加するかどうかお決めください。 |
■参加決定後
治験への参加を決定したら、治験参加の同意書に署名をします。それから治験は開始されます。診察や検査を行い、患者さまの状態を十分確認して治験薬を使い始めます。
参加中は、治験スケジュールにそって、来院し診察や検査を受けます。また、服薬の記録などをお願いすることがあります。
参加中は、治験スケジュールにそって、来院し診察や検査を受けます。また、服薬の記録などをお願いすることがあります。
治験に参加するメリット
■新薬による治療をいち早く受けることができます
今までにない効果が期待されるくすりや海外で実績のあるくすりなど、新しいくすりによる治療をいち早く受けることができます。
■きめ細やかな治療が受けられます
試験という側面がありますので、通常の治療より詳しい検査や診察を行います。また、治験担当医師が責任を持って診察いたします。
■治療費の負担が少なくなります
治験中、一部のくすり代や検査の費用が治験薬を開発している会社より支払われます。
■負担軽減費が支払われます
交通費等の負担を軽減する目的で、来院ごとに7,000円が支払われます。
■相談など気軽にできます
治験コーディネーター(CRC)が、治験全般に関する患者さまの質問や相談に対応いたします。
■治験は社会貢献です
治験への参加は、医療の発展や他の人々の治療に役立つことに協力するという社会貢献です。
治験に参加するデメリット
■来院や検査の回数が通常の治療より多いことがあります
くすりの効果や安全性の確認のため、治験参加中の来院回数や、検査の回数が通常の治療より多いことがあります。
■様々な協力をお願いすることがあります
くすりを忘れずに内服することや体の状態を記録するなど、様々な協力をお願いすることがあります。
■薬が無効であったり予期せぬ副作用が発生する可能性があります
治験では充分な安全性をもって服薬していただきますが、患者さまによっては無効であったり、予期せぬ副作用が発生する可能性があります。
※副作用が発生した場合は適切な治療、補償が受けられます。但し、本人の過失(医師の指導などを故意に無視した)などにより副作用が現われた場合には補償はされません。
※副作用が発生した場合は適切な治療、補償が受けられます。但し、本人の過失(医師の指導などを故意に無視した)などにより副作用が現われた場合には補償はされません。
■使えない薬や治療の制限が必要となる場合があります
治験期間中に使えない薬や治療の制限が必要となる場合があります。
治験コーディネーターとは?
治験コーディネーター(CRC:Clinical Research Coordinator)は、治験が円滑に実施されるよう、医師や患者さまに対して様々なサポートを行う専門スタッフです。患者さまは治験に関して分からないこと、悩んでいること等を、治験コーディネーターに何でもお気軽にご相談いただくことができます。
治験コーディネーター(CRC)の役割
治験コーディネーターは患者様、治験担当医師やその他の医療スタッフ、治験依頼者の3者の間に立ってコミュニケーションをはかる仕事です。
つまり、円滑に治験が進められるように各々をサポートする仕事です。
その仕事内容は多岐にわたり、4つに分類できます。
1)患者様のケア
- 治験参加が適格であるか確認します。
- 治験担当医師とともに同意説明を行います。
- 併用薬をチェックし、治験薬と一緒に投与してはいけないくすりがないか確認します。
- 患者様が治験薬をきちんと服薬できているかを確認します。
- 治験のスケジュールを把握し、患者様へ適切なアドバイスを行います。
- 治験薬の投薬後に患者様に起こった不具合(有害事象)の確認を行い、必要に応じて担当医師への伝達を行うなどすばやく対応します。
- 差し支えなければ患者様の診察や検査に同席し、スムーズに診療が進行するよう努めます。
- 患者様からのご質問・ご相談をお聞きし、問題の解決に努めます。
2)治験担当医師への支援3)治験依頼者側(製薬会社等)との対応
4)上記3者の間でのコーディネーション(調整役)
治験コーディネーターは治験に参加されている患者様にとって一番身近な存在です。
もし、治験について疑問や不安を感じたら、遠慮せずに、治験コーディネーターに相談してください。
もし、治験について疑問や不安を感じたら、遠慮せずに、治験コーディネーターに相談してください。



