当センター薬剤科では、外来・入院調剤をはじめとして、抗がん剤や高カロリー輸液の無菌調製、医薬品の適正使用における有効性・安全性などの情報収集および情報提供、入院患者さまへの服薬説明、副作用・重複投与チェック、また、新薬開発のための臨床試験(治験)業務など様々な業務を行い、医療スタッフの一員として医薬品適正使用の推進に力を注いでいます。
調剤とは医師が発行した処方せんにもとづき、薬剤師が患者さまのお薬を調合(調製)する業をいいます。当院では2009年11月に電子カルテシステム(病院情報システム)が導入され、処方に関しても調剤支援システムを連携させて運用しています。患者さまに安全な薬物療法が行われるよう、医師が処方を入力する際、用法・用量(1日の服用量や服用時間)、相互作用、重複投与などについて自動的にチェック機能が働き、最終的に薬剤師が処方内容を確認してお薬の調剤を行っています。
薬剤科部門における調剤監査システムとしては
・内服処方監査システム
・散薬監査システム
・水剤監査システム
などがあり調剤を行っています。患者さまが安心してお薬を服用していただけるように努めています。
患者さまに使用される注射薬に関しても、医師による電子カルテへのオーダ情報を利用しています。
2009年11月より、注射薬の払い出しをより安全に行うために注射薬自動払出し機(アンプルピッカー)を導入しました。この機器により患者さま一人一人の一回分ずつ(1施行単位)注射薬を専用カセットにセットし、各病棟に搬送しています。また、病棟において注射薬の使用時に、薬剤と投与時間帯、そして患者さまご本人であることを確認できるラベルをアンプルピッカーから発行させることにより、より安全な医療を提供できるよう努めています。
薬剤科部門における注射支援システムとしては
・注射処方監査システム
・注射薬自動払出し機
・血液製剤管理システム
・がん化学療法管理システム
・麻薬管理システム
などがあり、これらを利用しより安全な医療を提供できるよう心がけています。
- 製剤では外来や病棟で処置に使う医薬品や、院内で使用する消毒剤を調製したり、使いやすい量にわけて払い出しています。
- 特定の患者さまに治療上不可欠で製薬会社から発売されていない薬を医師の依頼に基づいて調製しています。
- 院内で使用する高カロリー輸液の無菌調製はクリーンルームでクリーンベンチを用いて調製しています。
- 院内で使用する抗がん剤は安全キャビネットを用いて調製しています。さらに各患者さまのデータは、薬剤科で開発したコンピュータシステムにて管理しています。

薬務では、病院の中で使用される医薬品の購入・在庫・供給・品質管理業務を行っています。医薬品は、診療上不可欠なものでありヒトの生命に直結するものとして、正確、円滑、迅速に供給できるように配慮しています。また、医薬品が本来有する有効性、安全性が患者さまに使用されるまで充分に確保されるように品質管理を行っています。病棟や外来等に定数配置している医薬品においても、定期的に期限や品質管理を確認しています。患者の皆様に安心して医薬品を使用していただけるように薬剤師の専門的な知識を基に努力しています。

製薬会社、インターネット、文献・書籍などから得られるさまざまな医薬品に関する情報を、収集、評価、整理、保管しています。医師や院内職員に向けて適切な情報を適切な時期に届けることで、よりよい薬物療法が患者さまに提供できるように配慮しています。地域調剤薬局への情報発信として院内ホームページに採用医薬品情報を掲載したり、院内職員に向けに、電子カルテ上の掲示板を活用し、安全性情報やトピックス、採用医薬品・採用中止医薬品などの情報発信を行っています。
また、各薬剤師が医薬品に関する新たな情報を共有するために、科内で勉強会を開催しています。

- 薬剤管理指導(服薬指導)業務では、カルテ、医師・看護記録、検査値、医師回診への同行などから患者さまの情報を把握してベッドサイドにお伺いし、患者さまの服薬状況の確認や薬の効果や使用方法の説明をわかりやすい言葉で行っています。
- 病棟では医師や看護師、他のコメディカル等で構成される医療チームでカンファレンスを行い、適正な薬物療法の提言を行っています。
- 入院当日に患者さまが持参された医療用医薬品(処方薬)や一般市販薬、サプリメントなど、すべてのお薬について薬剤師がその内容を調べ医薬品の服用状況を確認し、主治医や看護師に情報提供をしています。
病院内の各医療スタッフが、それぞれの専門知識を生かして、チーム医療を実践しています。
現在、薬剤師は薬物療法を通して院内感染対策チーム、褥創対策チーム、栄養サポートチーム、癌化学療法チーム、緩和ケアチーム、糖尿病教室等の一員として活動しています。
また、平成22年8月にBFH(Baby Friendly Hospital)認定施設となり母乳育児支援にも積極的に参加しています。
薬学生の5年次の実務実習や1年次の早期体験学習の受け入れを行っています。
■薬剤師教育研修受入人数(平成22年度)

当院は、(社)日本医療薬学会が運営する「がん専門薬剤師研修事業」の研修施設に指定されており、がん医療、特にがん薬物療法に必要な高度の知識、技能、臨床経験を修得させ、地域においてがん専門薬剤師を養成することにより、がん医療水準の均てん化を推進することを目的として、研修生の受け入れを行っています。
研修内容は、緩和医療、注射用抗がん剤のミキシング業務、がんに関する薬剤管理指導業務、調剤業務、医薬品管理業務、薬物血中濃度モニタリング業務、治験業務などの実務実習と当院の医師やコメディカル等による講義研修を行っています。
日本静脈経腸栄養学会「NST専門療法士」実地修練教育認定施設
当院は日本静脈経腸栄養学会「NST専門療法士」実地修練教育認定施設になっています。外科医師、内科医師、薬剤師、栄養士、看護師などによる講義や実地修練、院内勉強会などのカルキュラムが組まれています。静脈栄養および経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する基本的な知識と臨床経験を修得させ、将来、各施設の臨床の場において栄養学的専門知識を発揮できるNST専門療法士を養成できるよう研修生の受入を行っています。
■薬剤師数 19名
■外来調剤関連業務
| 院外処方せん枚数 |
88,321枚 |
| 院外処方せん発行率 |
96.4% |
| 注射処方せん枚数 |
12,972枚 |
| 抗がん剤無菌調製件数 |
894件 |
■入院調剤関連業務
| 内外用処方せん枚数 |
85,584枚 |
| 注射処方せん枚数 |
128,325枚 |
| 高カロリー輸液無菌調製件数 |
4,155件 |
| 抗がん剤無菌調製件数 |
2,187件 |
| 薬剤管理指導件数 |
8,290件 |
■設備など
| 電子カルテシステム |
| 無菌製剤室 |
| 安全キャビネット |
| クリーンベンチ |
| 注射薬自動払出し機 |
| 散薬監査システム |
| 水薬監査システム |
■治験管理室業務
| 治験契約件数 |
10件 |
| 薬剤科で管理している治験薬の種類 |
14薬品 |
■専門・認定薬剤師
| 日本医療薬学会がん指導薬剤師 |
1名 |
| 日本医療薬学会がん専門薬剤師 |
1名 |
| 日本医療薬学会指導薬剤師 |
1名 |
| 日本医療薬学会認定薬剤師 |
2名 |
| 日本臨床薬理学会認定CRC |
2名 |
| 日本静脈経腸栄養学会認定栄養サポートチーム専門薬剤師 |
2名 |
| 日本薬剤師研修センター認定実務実習薬剤師 |
4名 |
| 日本薬剤師研修センター認定薬剤師 |
6名 |
| 日本病院薬剤師会認定指導薬剤師 |
3名 |
■院内研修制度(薬剤師関連)
| 日本医療薬学会がん専門薬剤師研修施設 |
| 日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師研修施設 |
| 日本糖尿病療養指導士研修施設 |
| 日本静脈経腸栄養学会 栄養サポートチーム(NST)専門療法士 実地修練認定教育施設 |
| 日本緩和医療学会認定研修施設 |
■学会活動
| 日本医療薬学会年会 |
| 緩和医療学会学術大会 |
| 日本緩和医療薬学会 |
| 日本病院薬剤師会近畿学術大会 |
| 国立病院総合医学会 |
| 日本褥瘡学会学術集会 |
| 日本化学療法学会総会 |
| 日本TDM学会・学術大会 |
| 日本癌治療学会年会 |
■院外処方箋について
- 院外処方せんとは、病院内の薬局で薬を受け取るのではなく、町の保険薬局(かかりつけ薬局)で薬を受け取るための処方せんです。かかりつけ薬局とは、他医院の薬との重複チェックや飲み合わせの問題を防ぐために、1つの薬局で薬の管理をしてもらうことをいいます。
- 当センターでは、平成11年5月より院外処方せんの全面発行が実施されています。お支払いを済まされたら右側の院外処方せん相談窓口へお寄り下さい。保険薬局を紹介し滞りなく薬が受け取れるように相談いたします。
■Q&A
- 「院外処方せん」のメリットは?
町の保険薬局では、患者さま自身が安心して薬を服用・使用できるように、薬の効能・効果について十分に説明を受けることができます。
- 「院外処方せん」をFAXで送ると便利と聞いたのですが?
はい、保険薬局では患者さまがこられる前に薬があるか確認したり、薬歴を調べたりすることができます。トラブルをさけるためにも是非ご利用下さい。また、FAXをしていなくても「院外処方せん」を持っていけば、「保険調剤薬局」であればどこの薬局でも薬は受け取れます。この場合「院外処方せん」を忘れずに「保険調剤薬局」に持っていってください。また、FAXは「院外処方せん相談窓口」から送っていますので利用ください。FAX料金は無料です。
- 当日薬局に行く時間がない場合、翌日でもよいの?
「院外処方せん」の有効期限は、発行日から4日以内となっています。また、仕事の都合などで本人が受け取りにいけない場合は、代理の方が「処方せん」をもっていって薬を受け取ることもできます。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)の採用推進について
ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品(新薬)の特許期間が過ぎた後に発売される先発医薬品と同じ有効成分、効き目、品質、安全性が同等なお薬で、先発医薬品に比べて低価格な医薬品です。当センターではジェネリック医薬品を採用し、患者さまの医療費負担を軽減する努力をしています。