診療科のご案内
泌尿器科
診療案内
泌尿器科の扱う臓器は、腎臓、尿管、膀胱および尿道までの尿の通り道の悪性腫瘍から先天性の奇形、外傷、炎症および尿路結石症をはじめとして、副腎疾患そして男性性器疾患も含まれます。高齢男性における前立腺肥大症や前立腺癌の発生頻度の上昇が社会的に注目され、テレビ・新聞において取り上げられることが多くなっています。
当泌尿器科はこれらの疾患すべてを対象として、院内各科と密に連携して、患者さんのQOLを重視した医療を提供できるよう日々努力しています。
主な対象疾患
1)
腎癌、膀胱癌および前立腺癌を中心とした悪性腫瘍に対しては積極的に手術療法を取り入れ、必要な患者さんには化学療法や放射線療法を施行しています。
2)
60歳を越えられた男性の方で、夜間に再々トイレに起きられる場合には前立腺肥大症が疑われます。このような方には出血の心配のないホルミウム・レーザーを用いた手術療法で短期入院で治療していただけます。
3)
尿路結石の方には、スイス・ストルツメディカル社製のESWL装置を設置しており、砕石効果に高い評価を得ています。難治症例では経皮的な内視鏡手術や尿道からの内視鏡手術で安全で確実な治療を提供できます。
4)
高齢社会化にともなう男女における排尿困難や尿失禁に対して、排尿の自立への援助を看護スタッフとともに日々努力しております。

腎癌治療には根治的手術療法を中心に、可能な症例においてはマイクロターゼ(マイクロ波凝固装置)を活用した腎部分切除術を取り入れて腎保存手術を行っています。術後再発防止目的にインターフェロン療法も必要に応じて補助療法として施行しています。
膀胱癌症例には、経尿道的に内視鏡手術による切除を行い、再発性の高い症例にはBCG膀胱内注入あるいは当科において開発された阻血下動注化学療法(BOAI)を取り入れています。その他、症例に応じて放射線療法や全身化学療法を単独または手術療法の前後に積極的に施行し、治療成績の向上に努めています。
診断の困難な腎孟尿管腫瘍には細径の尿管鏡を用いて、直視下に観察・生検を施行し、より正確な診断が可能となっています。
近年増加の一途をたどっている前立腺癌症例に関しては、前立腺癌の腫瘍マーカーである血清PSA(前立腺特異抗原)値が4.0ng/mlを越える症例では、1泊2日の入院で麻酔下に6箇所以上の前立腺生検を積極的に施行しており、早期発見の限局性の前立腺癌には前立腺全摘術を施行しております。年間の前立腺全摘症例は15から20件を数えます。また、病期診断(ステージング)の結果、進行癌であった場合や骨転移による疼痛を伴う例、あるいは年齢的に高齢であるがゆえに前立腺全摘術が不可能な方におきましては、内分泌療法を中心に放射線療法を取り入れて、患者さんご本人のQOL(生活の質)を考慮して治療を展開しています。
良性疾患である前立腺肥大症例も、高齢社会化にともない年々増加しておりますが、夜間頻尿(特に夜間に排尿回数が多い)や排尿困難、残尿感等の症状に加えて、大好きなアルコールを飲むと尿閉(強い尿意にもかかわらず排尿できなること)になったり、市販の風邪薬を飲むと閉尿になるなどの不安をもたらす前立腺肥大症に対しては、経尿道的に内視鏡手術を勧めています。使用する電気メスの改良により手術による出血がほとんどなく、翌日には歩行可能で輸血の心配がありません。また、最近では電気メスの代わりにホルミウム・レーザーを使用することで、電気メスを使用しての手術の入院期間が2週間かかっていたのが1週間以内の入院で退院可能となっています。どうしても手術ができない方でも、形状記憶合金を用いた尿道ステント(尿道内留置カテーテル)留置により排尿状態の改善が可能です。排尿困難でお悩みの男性のみなさん、どうかあきらめないでかかりつけの先生に申し出ていただき当科に紹介してもらってください。
その他、尿路結石患者さんも多いのですが、大半の方ではESWL(対外衝撃波結石破砕装置)による麻酔なしでの治療を、原則的に1泊2日の入院で治療しており、多くの方で結石の排石がみられます。大きな腎結石の場合は経皮的に内視鏡的手術により結石をこわして摘出し、ESWLでこわれないような尿管結石の方には、2泊3日の入院で尿道から尿管鏡を用いてホルミウム・レーザーで結石を確実に破壊しており、好成績で安全な治療を行っております。
これからの泌尿器科
入院していただいた患者さんへの入院時治療計画書の説明に始まり、手術あるいは検査についての患者さんの納得のいく説明に基づくインフォームドコンセントをよりいっそう得るための努力を心がけ、患者さんの入院中のQOLの向上を図るべく、スタッフ一同日々努力しております。
今後の泌尿器科診療の展開として、女性における尿失禁により積極的に取り組む予定であり、手術療法に腹腔鏡下手術(内視鏡手術)の準備中であります。
手術実績
2006年度
腎摘除術 8例
PNL(経皮的腎結石摘出術) 5例
PNS(経皮的腎瘻造設) 9例
腎尿管全摘術 8例
TUL(経尿道的結石摘除術) 17例
ESWL(体外衝撃波結石破砕) 125例
膀胱全摘術+尿管皮膚瘻術 2例
膀胱全摘術+回腸導管 3例
TUR−Bt(経尿道的膀胱腫瘍切除) 66例
膀胱砕石術 9例
TVT(尿失禁防止術) 2例
前立腺全摘術 14例
TUR-P 52例
内尿道切開 9例
高位精巣摘除術 2例
精巣摘除術(前立腺癌) 4例
その他 13例
合計 352例
スタッフ紹介
北川 道夫 泌尿器科医長
卒業大学 和歌山県立医科大学医学部卒
専門医 日本泌尿器科学会
指導医 日本泌尿器科学会
専攻分野 腎・膀胱・前立腺悪性腫瘍、尿路結石、小児泌尿器科
康 根浩 泌尿器科医師
卒業大学 和歌山県立医科大学医学部卒
専門医 日本泌尿器科学会
専攻分野 泌尿器科一般
射場 昭典 泌尿器科医師
卒業大学 和歌山県立医科大学医学部卒
専門医 日本泌尿器科学会
専攻分野 泌尿器科一般
スタッフは常勤医3名、非常勤医1名で、泌尿器科病棟は28床を要しております(レジデント募集中)。
外来診療は二診体制で、手術日は火曜日・金曜日の2日間。ESWLは、火曜日を除く月・水・木・金曜日に行っています。
専修医
  • 岩本 勝来 愛媛大学医学部卒

独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター 〒586-8521 大阪府河内長野市木戸東町2番1号